「胃腸の疲れ」にご用心

消化器内科

 

寝る前の空腹に任せて夜食をむさぼり食った挙句、翌朝に待ち構える胃もたれや胸焼けの苦しみに「もうこんなことは止めよう」と決意しておきながら、喉元過ぎればついまた同じことを繰り返してしまう全国の皆さん、こんにちは。

つい先日、懲りずにまた“悲劇”を繰り返してしまったことを、ここに謹んでご報告いたします。どうも、山城です。



さて皆さん、ちょっと自分のお腹や胸に手を当ててみて、何となく胃がもたれていたり、胸焼けしていたり、あるいはちくちくと痛んだりしてはいないでしょうか。

 

ここしばらくは「コロナ自粛」のせいで会社の飲み会や友人との会食などの機会もぐっと減り、つい羽目を外して暴飲暴食をしてしまう人の数もぐっと少なくなったことでしょうが、反対に自粛のストレスから暴飲暴食に走ってしまう人も増えているようです。

また、そうでなくとも、普段から脂っこい食べ物を好んで食べたり、お酒を好んで良く飲んだりする人であれば、ちょっと身体に疲れが溜まったり、ちょっと調子が悪くなったりした途端に、胃もたれや胸焼けに襲われることは、きっと日常茶飯事のことでしょう。

 

そうやって胃腸がSOSを発している時には、やっぱり結局のところ「胃腸をゆっくりと休ませてあげる」に限ります。

 

肉類や油類などの脂っこい食べものや辛いもの、お酒や煙草に甘いものなどは少し我慢して、お粥や重湯、うどんのようなあっさりしたものとか、お野菜中心のさっぱりしたものに意識的に切り替えて、過労で倒れそうになっている胃腸を労わってあげてください。

そうして“お腹にやさしい”食事を心がけて、さらに十分な睡眠と休養をしっかり確保してあげたならば、3~4日のうちに胃腸もだいぶ元気を取り戻してくれるはずです。




それでもなかなか調子が改善しないような場合には、胃薬に頼ってみるのも一つの手でしょう。

 

いまは市販のお薬も非常に良くなってきていて、ドラッグストアでは勿論、コンビニなんかでも気軽に手に入るので、ぜひ上手に活用してみてください。

なお、有名どころでは「バンシロン」や「ソルマック」、「キャベジン」などには胃粘膜を保護する作用がありますし、「ガスター10」などは、病院で出される胃薬と同じような成分となっていたりします。

 

 

とは言え、「そうは言っても、世の中いろいろと胃薬がありすぎて、どれを選んだらいいか分からない」とお嘆きの方も、きっと少なくないことでしょう。

 

市販で購入できる胃薬としては、やはり「ガスター10」がおすすめなんですが、これは「第一類医薬品」であるため、「薬剤師さんのいるドラッグストアなどでしか購入できない」という弱点があります。

一方、「第二類医薬品」に分類される「バンシロン」や「太田胃散」などは、コンビニなどでより簡単に入手できますが、その効果はどれも似たり寄ったりですので、幾つか試しに飲んでみた上で、最も効果を実感できたものを使うようにするといいでしょう。

 

 

ちなみに、最も気軽にコンビニでも購入できる上に、僕自身も効果を実感しているのは、口臭予防でお馴染みの「ブレスケア」だったりします。

 

実は、「ブレスケア」の主成分でもあるミントには、強力な「胃粘膜保護作用」があり、胃カメラ検査においても、胃の蠕動(ぜんどう)を抑える薬品としてミント(商品名:ミンクリア)が用いられているほどなんです。

ですので、僕は飲酒した後には必ず「胃薬」として「ブレスケア」を服用していますし、バーでお酒を楽しむ場合にも、必ず「モヒート」を1杯は挟むようにしています(笑)

 

 

さらに遠慮なくちなみますと、一口に「ミント」と言っても、実は600種類ほどあるそうなんですが、胃薬としての効果が特に強いのは「ペパーミント」です。

本格的なバーなどでモヒートを注文する際には、もし可能であれば「スペアミント」よりも「ペパーミント」を多めに入れてもらえるようお願いしてみるといいでしょう。

 

 

すみません、ちょっと話が横道に逸れてしまいました。

ともかく、こういった身近で手に入れやすいお薬や商品を適切に使うことで、数日から一週間もあれば、ちょっとした胃腸の不調はぐぐっと症状が改善されてくるはずです。

 

それでも「やっぱり調子がおかしい」、あるいは「どうしても不調が治らない」という場合には、「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」というバイ菌が悪さをして炎症が長引いていたりと、何か別の原因が隠れている可能性も考えられるでしょう。

ですので、もし今まで一度も検診で「ピロリ菌」を調べたことがない場合には特に、思い切って消化器内科を受診してみて、医者に相談してみると安心だと思います。

 

 

──と言ったところで、今回のお話はお終いなのですが、ここしばらくは少々 “カロリーの高い” こってり目の記事が続いていましたので、それこそ皆さん、ちょっと「胃もたれ」を起こしたりなんかしていませんでしたでしょうか。

「もしそんな不調法を看過していたならば、消化器内科医の名折れだ」という訳で、今回は「箸休め」 的な意味も込めて、もはや現代人とは切っても切り離せない「胃腸の疲れ」をテーマに、あっさり目の小話を“処方”させていただきました。

 

山城   

 

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